(シリーズ:棒読み英語を卒業する|第2回)
仕組みは理屈では分かっているはずなのに、いざ話すと棒読みに戻ってしまう。
そんな経験はありませんか?
原因はシンプルです。
単語ごとに切って読み、声の高さが一定で、間がない。
これだけで英語は“平らな音”になってしまいます。
英語を伝わる声に変えるには、音の流れ・高さ・間のバランスを整えること。
今回は、そのための3つのポイントを紹介します。
ポイント解説
ポイント① 音の流れを整える(フレーズ単位で一息)
英語が平らに聞こえる最大の理由は、単語を一つずつ切って読んでいること。
英語は、意味のかたまりを一息で出すことで流れが生まれます。
🔊 例
❌ I / want / to / go / to / the / store.
⭕ I want to | go to the store.
ポイント
- 単語ではなくフレーズをまとめて読む。
- フレーズ内では声を止めず、音を連続させる。
- 音が滑らかに流れると、聞き手の印象が一段クリアになります。
仕組みの理解
フレーズ単位で音をつなげることで、情報が途切れずに届く流れをつくれます。
英語は、音を一つずつ区切る言語ではなく、意味のかたまりで構成されています。
ポイント② 高さで構造を見せる(3段階で十分)
英語では、声の高さが情報の区切りを示す役割を持ちます。
高さを切り替えることで、聞き手は文の流れを自然に理解できます。
🎚️ Three Levels of Tone
1️⃣ 高め(導入・強調)
2️⃣ 中間(説明)
3️⃣ 低め(結論・安定)
🔊 例文
Today, I’d like to share three points.
→ 「Today」を高く、「three points」で低く締める。
ポイント
- 1文の中で少なくとも1回の上下をつける。
- 結論語(finally, therefore, key point)は低めで終える。
- 高低をつけるだけで、メッセージがより明確に伝わります。
仕組みの理解
声の高さを切り替えることで、話の切り替えやまとまりを明確に示すことができます。
声を上げると「これから新しい話が始まる」、下げると「ここで一度まとまった」と、聞き手に自然に伝わります。
ポイント③ 間で印象を整理する(区切りで1秒)
英語は“止まらずに話す”よりも、“止める場所を決める”方が伝わります。
**間(pause)**は、情報を整理する時間です。
🔊 例
❌ Thank you for coming today I’m happy to be here.
⭕ Thank you for coming today.(pause)
I’m happy to be here.
ポイント
- フレーズとフレーズの間で約1秒止める。
- 止めた直後、軽く息を吸って次の文へ。
- “間”を取ると、聞き手の受け取り方が明確に変わります。
仕組みの理解
文と文の間に短い“間”を入れることで、聞き手が内容を整理し、理解をリセットできる流れを作れます。
この1秒の余白があるだけで、文ごとの意味が明確になり、話の印象が残りやすくなります。
まとめ
棒読みの原因は、練習不足ではなく“話し方の構造が整っていないこと”にあります。
音を流れとして整え、
高さで構造を見せ、
間で印象を整理する。
この3つを意識することで、相手に内容が届きやすくなります。
英語を正確に読むことから、伝わる音を設計することへ。
努力が報われる“方向”を意識して、
今日からひとつ、文を選んで試してみてください。
それが、棒読みを抜け出す最初の一歩です。


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