英語プレゼンで声が出ない理由と解決法 ― 緊張をほぐす3ステップ練習法

会議室で10人の前に立った瞬間、頭が真っ白になり、声が出ない――。

話そうとすると、喉が詰まる。口が固まる。顔がこわばる。
言いたいことが浮かんでいるのに、声にならない。

そんな瞬間、つい自分を責めてしまっていませんか?
でも、それは――まったく自然なことなんです。

むしろ、うまく話せなくて当然。
なぜなら、あなたはまだ「声を動かす練習」をしていないだけだから。

今日からその練習を、一緒に始めましょう。

【この記事で分かること】

✓ なぜ「わかっているのに話せない」のか(科学的根拠)
✓ 声が出ない3つの物理的理由
✓ 今日から始められる具体的練習法

目次

あなただけじゃない:87%が抱える「話せない」悩み

英語プレゼンの現場で、「言いたいことはあるのに声が出ない」と感じたことはありませんか?
実は、その悩みを抱えているのはあなただけではありません。

私がプレゼンサポートを支援してきた120名のビジネスパーソンのうち、87%が同じ回答をしています。

「英語の知識はあるのに、プレゼンになると声が出ない」

その原因は、英語力でも記憶力でもなく――体が“声の出し方”をまだ覚えていないから

プレゼン学習者が抱える悩みTOP5
(1位:声が出ない/2位:棒読みになる/3位:早口になる/4位:息が続かない/5位:表情が固くなる)

この章ではまず、「話せないのは能力不足ではない」という事実を整理します。
そして次の章で、“なぜ声が出ないのか”を科学的にひも解いていきます。

なぜ「わかっているのに話せない」のか?

言葉を理解する力と、発声する力は別もの

英単語は知っている。文法も理解している。
なのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない――

これは「能力不足」ではありません。
“理解する力”と”発する力”が、まったく別の仕組みだからです。

日本の英語教育は、読む・書く・聞くに偏りがち。
「話す」練習が圧倒的に少ないまま、私たちは社会に出ます。

頭の中には英語の知識があるのに、
声に出す回路がつながっていない状態――
それが「わかっているのに話せない」の正体です。

スピーキングは「知識」ではなく「体の動き」で克服しよう

実は、話すという行為は知識だけでは成立しません。

口、舌、喉、呼吸――
これらの筋肉が連動して、初めて声は形になります。

スポーツと同じです。
ストレッチで体を温めるように、声にもウォームアップが必要。
準備体操なしで急に走り出せば、体が動かないのと同じです。

つまり、
✅ 頭で理解していても
✅ 語彙力があっても
❌ 体がその動きを覚えていなければ、スムーズに出てこない

話せないのは、才能の問題ではなく、声の使い方をまだつかめていないだけ。

それで良いんです。
まずは、ひと息ついて、口を動かすところから。

声が出ない3つの物理的理由

理由1:呼吸と発声の連動不足

呼吸と声は、車のアクセルとエンジンのような関係です。
どちらかが噛み合っていないと、どれだけ語彙があっても前に進みません。
多くの人は、息を浅く吸い、喉で押し出すように話してしまいます。
結果、息が途切れ、声が細くなる。
これは呼吸と発声の“連動”がうまくいっていない典型です。

理由2:筋肉の記憶がない

スポーツでフォームを覚えるように、発声にも“筋肉の記憶”が必要です。
頭では理解していても、口・喉・腹筋がその動きを覚えていなければ、
英語のリズムに乗せて声を出すことはできません。
だから、知識があっても「話せない」状態になるのです。

理由3:心理的緊張が身体を固める

緊張すると、体は「防御反応」で筋肉を固めます。
これをストレス性ボイスブロックと呼びます。
肩が上がり、息が浅くなり、声帯が閉じてしまう――。
結果、「英語プレゼンで声が出ない」状況が生まれます。
ここを解きほぐすには、メンタルではなく呼吸と動きの改善が先決です。

🪶 私の経験から ー緊張と失敗の中で見えた、“話す力”の正体

初めてアメリカで教壇に立ったときのことです。
20人ほどの高校生を前に、“Hi, everyone.” と言った瞬間、声が裏返りました。

顔が一気に熱くなり、呼吸が浅くなっていく。
頭では「準備はできている」と思っているのに、口が動かない。
何度も練習した原稿も、声にならない。

準備していた3分のスピーチは、わずか30秒で終わりました。
けれど、不思議なことに、その瞬間の感覚だけは今も鮮明に残っています。

「こんなはずじゃないのに」と思いながらも、その場では、ため息まじりに力なく笑うしかありませんでした。

今振り返ると、あの経験が、いまの「声から整えるプレゼン法」の原点のひとつになっています。

当時は恥ずかしさと疲労感ばかりが残りましたが、時間が経つにつれて、少しずつ見えてきたことがあります。

――話す力は、知識ではなく、呼吸から始まる。

もちろん、努力や知識の積み重ねは大切です。
でも、その力を発揮するためには、もうひとりの自分――“呼吸”と協働することが何より大切です。

そう気づいてから、数えきれない失敗を重ねながらも、
自分の相棒である呼吸と声に向き合い、その構造を理解することに力を注いできました。

【実践】3フレーズ音読法

ここからは、今日からできる実践パートです。
英語プレゼンで「話せない」状態を抜け出すには、
長文よりも短文を“呼吸で言う”ことが最初の一歩。

英語プレゼンを始めたい人に、まずおすすめしたいのがこの方法です。

ステップ1:3つの短いフレーズを選ぶ

自分が実際に使いたいフレーズを3つ選びましょう。

(例)

  • “I’m glad to be here.”
  • “Today, I’d like to share…”
  • “Thank you for listening.”

ステップ2:声に出して、間とリズムを感じながら読む

文法を考えなくていい。
発音を完璧にしようとしなくていい。

大切なのは、声と息がつながる感覚です。

ゆっくりでいい。
間を開けていい。
息を整えながら、軽くジョギングを始めるように声を動かしてみましょう。

ステップ3:録音して、自分の声を聞く

自分の声を客観的に聞くことで、
「あ、意外と悪くないかも」
「ここの間が詰まってるな」
という気づきが生まれます。

毎日30秒でいい。声を出すたびに、回路は温まっていく

1日3回、ほんの30秒でかまいません。

声に出すたびに、息が道を覚えていく。
筋肉が動きを覚えていく。
その感覚が生まれた瞬間、「言葉って、体の中を通るんだ」と実感するはずです。

言葉は、反復することでだんだんと自然になっていきます。

今日、ひとつのフレーズを声にした瞬間から、
あなたの話す力は、もう動き始めています。

まとめ:上手に話すことより、”伝える声”を育てよう

上手に話そうとしなくても構いません。
その一言が届けば、それで十分です。

うまく話せなくて当然。
それは、あなたがまだ声を動かし始めたばかりだからです。

話す力は、知識の量ではなく、声と呼吸の積み重ねで育っていきます。

一度にすべてを言おうとせず、
短いフレーズを、ゆっくり、確かめるように口にしてみましょう。

その小さな声が、やがて人の心に届く”伝える声”へと変わっていきます。

今日から始めよう

言葉は、比べず、飾らず、静かに動かし続けることで形になります。

今日の3フレーズが、明日の自信の小さな芽になります。

さぁ、声の回路を温める日々を、ここから一緒に始めましょう。

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