棒読みから脱出!【第3回・完結編】 声の重心と終わり方で、英語に「説得力」を生む

(シリーズ:棒読み英語を卒業する|第3回)

棒読みを直すために、これまで「どこに力を置くか(力点)」を意識してきました。
声に強弱をつけ、流れや高さ、間を整える。ここまでできれば、もうすでに英語の響きは格段に自然になっています。

次のステップは、その声に安定と深みを加えること。
英語の声がしっかり届く人は、力を入れる場所だけでなく、声を支える土台(重心)を持っています。

目次

これまでの旅を振り返ろう

テーマ学びの要点
第1回なぜ棒読みになるのか日本語の構造と発話習慣の違い
第2回力点をつくる音の動き・流れ・高さ・間
第3回(今回)重心と終わり方声の安定と印象設計

今日は、その最後のピース。
「声を支える技術」で、英語を“届く声”に仕上げましょう。

最終ステップ 

声の重心を下げる ― “落ち着く声”のつくり方

日本語話者が棒読みになりやすい理由のひとつは、声が常に“上の方”に浮いてしまうこと。
英語では、胸のあたりで声を響かせることで、声全体が安定し、聞き手に安心感を与えます。

重心を下げるポイント

  • 息をのどではなく、体の下へ流すように意識する
  • 声を張り上げず、胸の空間で響かせる
  • 高さよりも、響きの深さを大切にする

声を下げることで、英語に“支え”が生まれます。
それが、説得力ある話し方の第一歩です。

小さな練習

  1. 深呼吸してから声を出す(息を胸まで落とす)
  2. 低めの音で「hmm」と言い、胸が震える感覚を確かめる
  3. その響きのまま一文読む
     → Thank you for your time.

胸が軽く震えていれば、重心は安定しています。

力点との関係 ― 『動き』と『支え』を両立させる

第2回で学んだ「力点」は、声に動きをつくる技術。
一方で今回扱う「重心」は、その動きを安定させる支えです。

力点だけでは、声は動いても落ち着かず、聞き手が疲れてしまう。
反対に、重心だけでは安定するものの、平坦で印象に残りません。

この二つが噛み合ったとき、英語の声は初めて“届く音”になります。

体感してみよう

This is very important.

  1. 「very」だけを強く読むと、上ずった声になる
  2. 全体を胸で響かせると、安定はするが動きがない
  3. 「very」を強調しながら、胸の響きを保つと、自然で力強く聞こえる

小さな違いですが、印象はまったく変わってきます。

声の終わり方を整える ― 印象を締める

どんなに正確な発音でも、語尾が上がるだけで「自信がない」「言い切れていない」と感じさせてしまいます。

英語では、文の最後の音を少し下げるだけで、声が静かに締まり、聞き手に確信が伝わります。

試してみましょう

  • I think so↗? → 疑問形に聞こえる
  • I think so↘. → 確信が伝わる

声を締める3ステップ

  1. 最後の単語を低めに発音する
  2. 母音を少しだけ長めに残す(伸ばしすぎない)
  3. 言い切ったあとに一拍置く

このわずかな間が、聞き手に安心感を与えます。

まとめ ― 「支えのある声」が棒読みを終わらせる

棒読みの英語を変える最後の一歩は、
「どこに力を入れるか」ではなく、「その力をどこで支えるか」。

第2回で学んだ「声を動かす」技術を、今回の「声を支える」感覚で安定させることで、
英語の音は、初めて本当に“伝わる声”に変わります。

声の重心を下げ、力点で動きをつくり、最後に静かに着地する。

棒読み脱却の3ステップ

  • 声の重心を下げる:胸で響かせ、安定感を生む
  • 力点で動きをつくる:強弱や間で、要点を際立たせる
  • 語尾を下げて着地する:印象を締める

これが、棒読み脱却の完成形です。

今日からできる小さな練習

1️⃣ 胸に手を当てて、英語を一文だけ読む。
 → 声が胸で響いていれば、重心は安定。
2️⃣ 文の最後を低めに落として話す。
 → 声が締まって聞こえるか、自分の耳で確かめてみる。

焦らず、少しずつ“支えのある声”を育てていきましょう。

シリーズ完結メッセージ

これで「棒読みから脱出!」シリーズは完結です。
3回のテーマを、あらためて振り返りましょう。

テーマ学びの要点
第1回なぜ棒読みになるのか日本語の構造と発話習慣の違い
第2回力点をつくる音の動き・流れ・高さ・間
第3回重心と終わり方声の安定と印象設計

英語の声を変える鍵は、「力を出す」ことよりも「力を支える」こと。
その支えの上に、あなたの言葉が流れ、響き、届いていきます。

そしてその瞬間、棒読みはもう過去形です。

最後に

このシリーズで学んだ3つの技術を、毎日の英語に少しずつ取り入れてみてください。
1か月後、きっと変化に気づくはずです。

「完璧」よりも「伝わる」声を。
それが、英語プレゼンの本当の出発点です。

It’s not about perfection. It’s about connection.

🔗 シリーズを最初から読む
棒読みから脱出!【第1回】なぜ日本人の英語は棒読みに聞こえるのか
棒読みから脱出!【第2回】声が伝わる人の3つの設計ポイント

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