英語力より「最初の一言」が難しい理由
オンラインのグローバル会議で、「言いたいことはあったのに、結局ひと言も発言できなかった」という経験はありませんか。
実は、原因は英語力そのものよりも、「最初の一言が出ないこと」にある場合がほとんどです。
タイミングへの不安、言い方への迷い、「完璧に言わなければ」という思い込み。―この3つが重なるほど、日本人エンジニア、とくに50代の方ほど口が重くなりやすいのを現場で何度も見てきました。
一方で、グローバル会議の英語は、決してネイティブだけの舞台ではありません。
アクセントも文法も多様で、求められているのは「完璧な英語」ではなく、「要点を短く、明確に伝えるひと言」です。
この記事では、日本人が沈黙しやすくなる5つの罠と、そこから抜け出すための実践テンプレートをまとめました。
明日の会議で、まずは「最初の一言」が口から出る状態を、一緒に設計していきましょう。
- 日本人エンジニアがグローバル会議で沈黙しやすくなる5つのパターン
- 明日の会議から使える「最初の一言」テンプレ(初級・中級)
- 50代でも無理なく発言回数を増やすための3つの具体アクション
最初の一言を設計する:初級・中級テンプレ
グローバル会議で発言できない最大の原因は、英語力そのものというより 「最初の一言が出ないこと」 です。
次の会議は、下の中から 1つだけ 言ってください。内容はその後でOKです。
【初級】まずは“存在感”を出す1文(短い・噛まない・万能)
- One quick point.(ひと言だけ)
- Just to clarify…(確認ですが…)
- I have a quick question.(短い質問があります)
- I agree with that.(それに同意です)
- I’m following so far. (ここまでは理解できています)
【中級】会議を“前に進める”1文(追加・整理・提案)
- To build on that…(それに付け加えると…)
- From a technical standpoint…(技術的観点から言うと…)
- My recommendation is…(私の推奨は…)
- The key point is…(要点は…)
- To summarize…(まとめると…)
次の会議は、初級1回+中級1回。それだけで十分です。
発言の質は後から上がります。まずは“声を出す設計”を先に作りましょう。
日本人が沈黙にハマる5つの罠
罠1:「完璧な英語を話さなければ」という思い込み
グローバル会議の現場では、英語が母語ではない参加者が多く、アクセントも文法もさまざまです。
そして実務の場面では、細かな文法よりも 「要点が明確か」「議論が前に進むか」 が重視されることが多いと感じます。
私が見てきた現場
技術通訳として、ある半導体メーカーのグローバル会議に同席したときのこと。
日本人エンジニアAさんは、英語力も高く、準備も万全でした。
それでも会議では、慎重になりすぎて発言が少なかった。
一方、インド人エンジニアBさんは、文法が完璧ではなくても、こう言いました:
“This approach… how you say… not good for the timeline. We need a simpler way.”
完璧ではない。でも、意図は伝わる。
そして会議は前に進む。
脱出方法:70点英語ルール
完璧を目指すのではなく、70点で十分 と割り切りましょう。
- ❌ 完璧主義(頭の中で構築中…)
「この提案には複数の技術的課題があり…」 - ✅ 70点英語(即座に発言)
“I see a problem. Implementation is difficult. Can we discuss?”
会議で評価されるのは「正しさ」だけではなく、前に進める一言です。
罠2:「タイミングを逃す」という悪循環
日本人は、相手の話を最後まで聞き、考えてから話す傾向があります。
これは日本の会議では強みですが、オンラインのグローバル会議では “間”が長いほどタイミングを逃しやすい のが現実です。
脱出方法:割り込みフレーズを武器にする
割り込みは失礼ではありません。議論を進めるための技術です。
- 丁寧に: “Can I add something here?”
- 自然に: “Just to build on that…”
- 緊急時: “Sorry to interrupt, but this is critical.”
実践のコツ
会議前に、3つのフレーズを付箋に書き、画面横に貼る。
そして「前半で1回だけ使う」と決める。
それだけで、発言の入口が作れます。
罠3:「I think…」に頼りすぎる
“I think” は便利ですが、多用すると聞き手によっては
「自信がなさそう」「根拠が薄い」印象になることがあります。
技術者の発言は、意見よりも 根拠(データ・経験・前提) が評価されます。
だからこそ、言い方を少し変えるだけで強くなります。
脱出方法:強いフレーズに切り替える
| 場面 | 弱い表現 | 強い表現 |
|---|---|---|
| 技術的提案 | I think we could… | I recommend we… |
| 問題指摘 | Maybe there’s an issue… | We need to address… |
| 経験共有 | I think this worked before… | Based on my experience… |
例:
- ❌ “I think maybe we should test this first…”
- ✅ “I recommend we test this approach first. Based on similar projects, it will save us 2 weeks.”
“意見”ではなく、“提案+根拠”の形にする。これが強さになります。
罠4:「反対意見を言えない」という遠慮
グローバル会議では、建設的な反対意見は 衝突ではなく貢献 として扱われることが多いです。
技術の議論では、反対が“品質”を守ります。
脱出方法:建設的な反対の3ステップ
- 肯定: “I see your point, but…”
- 懸念: “I have concerns about [具体的な問題]”
- 代替案: “What if we [代替案]?”
例:
“I see your point about speed, but I have concerns about scalability. What if we implemented this in phases?”
「反対」ではなく「改善提案」に見せる。これがコツです。
罠5:「質問できない」という遠慮
会議で「分からない」が出るのは自然です。
そして、その疑問は自分だけでなく、他の参加者も同じように抱えていることが少なくありません。
質問は無知の表明ではなく、認識をそろえるための貢献です。
脱出方法:「みんなのための質問」として位置づける
- ❌ 個人的な質問: “I don’t understand…”
- ✅ チームのための質問:
“For the benefit of the team, could you clarify what MVP means?”
他にも使える質問フレーズ:
- “Just to clarify, you’re saying that…?”
- “Could you elaborate on the timeline?”
- “I’m not familiar with that term. Could you explain?”
グローバル会議で結果を出す5つの新常識
ここからは、私が現場で繰り返し感じる「グローバル会議の新常識」を5つにまとめます。
※数字ではなく、実務の“体感ルール”として捉えてください。
- 沈黙は、意図が伝わりにくい
短い相づちでも、存在感になります。 - 完璧より、タイミング
70点でも早く言える人が、会議を前に進めます。 - 反対意見は、価値の追加
反対は衝突ではなく、リスクを潰し品質を上げる貢献です。 - 質問は、理解のコストを下げる
早い質問ほど手戻りを減らします。 - 文化差は“観察→調整”で乗り切れる
相手の反応を見て、言い回しを調整すればOKです。
明日から試せる3つのアクション
アクション1:次の会議で「初級テンプレ」を1回だけ言う
会議中に1回言えたら合格です。
アクション2:「中級テンプレ」で“結論→理由”を2文で言う
型:
The key point is (結論).
Because (理由).
アクション3:会議後に30秒だけ振り返る
- 今日言えたテンプレ:初級( )/中級( )
- 次回はどれを言う?:初級( )+中級( )
この30秒ログが、次回の迷いを消します。
まとめ:発言することは「リスク」ではなく「設計」
完璧な英語は必要ありません。
あなたの専門知識、経験、洞察は、グローバルチームに必要とされています。
次の会議で、まずは 最初の一言 を。
そこから、会議の見え方が変わっていきます。
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